ブルーライト漢詩14
神奈川近代文学館
百花丘上毎回新
百花の丘上 毎回(いつも)新たなり
霧笛橋辺涼可親
霧笛橋辺 涼親しむべし
金港雅茵鴎鷺集
金港(横浜)の雅茵(風流の教場)
鴎鷺(詩の仲間)集う
琢磨何日放詩神
琢磨(努力して)いつの日か
詩神(詩心)を放にせん
解説
神奈川新聞平成25年11月3日日曜日版から転載
漢詩の作り方
≪漢詩の作り方⑪≫
漢詩作りの要諦は「多読多
作多商量(考える)」といわ
れる。多商量は「よく推敲(す
いこう)する」ということだ。
考えすぎ、いじりすぎて詩が
悪くなることもあるが、推敲
は欠かせない。上掲詩は最初
「百花丘上海風涼/霧笛橋辺
聳学堂/金港雅茵新進集/忘
年相語鼓詩腸」だった。「学
堂」と「雅茵」がダブりに思
えていろいろ考えるうちに、
涼・堂・腸の陽韻を変えたら
とひらめいた。詩語集で「毎
回新」と「放詩神」を見つけ、
新・親・神の真韻で作り替え
た。よくなったか、どうか…。
作者紹介
岡崎満義
おかざき・みつよし
1936年鳥取県生まれ。京都大文学部卒。
60年文芸春秋入社。
「ナンバー」「文芸春秋」編集長など。
99年退職。全日本漢詩連盟常務理事、
神奈川県漢詩連盟会長。
茅ヶ崎市在住。
shinkanren@.jp
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