ブルーライト漢詩16
湘南海岸見箱根駅伝与滑瀾
湘南海岸に箱根駅伝と滑瀾を見る
雪峰映海此迎新
雪峰(富士山)海に映じ
此に新(新年)を迎う
走路人兼滑瀾人
路を走る人と瀾を滑る人(サーファー)と
世上繰狂都似夢
世上繰狂(うるさいこと) 都て夢の似し
乗風奔放楽青春
風に乗り奔放(思うがまま)青春を楽しまん
解説
神奈川新聞平成26年1月5日日曜日版から転載
漢詩の作り方
≪漢詩の作り方13≫
「漢詩は転・結句から作る
のがいい」と言われるが、上
掲詩の場合、まず承句ができ
た。正月の箱根駅伝の往路3
区(と復路8区)は湘南南海岸
沿いの道路で、海はサーファ
ーたちでにぎわう。たすきを
掛けたランナーと黒いウエッ
トスーツのサーファー、2種
の若者を詠もうとおもったの
だ。両者を「走路人」「滑瀾
人」とし、あえて同字重出で
「人」を使ったので、韻は真
韻で決まり。”新年の富士山”
から「新」を起句に、”元気
な青春”から「春」を結句に
置き、韻を整えた。
作者紹介
岡崎満義
おかざき・みつよし
1936年鳥取県生まれ。京都大文学部卒。
60年文芸春秋入社。
「ナンバー」「文芸春秋」編集長など。
99年退職。全日本漢詩連盟常務理事、
神奈川県漢詩連盟会長。
茅ヶ崎市在住。
shinkanren@.jp
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