ブルーライト漢詩21
四月一日
一寒一暖問由無
一寒一暖問うに由無し
二月雪堆花未稠
二月雪堆く花未だ稠からず
三月桜桃春色動
三月桜桃春色動く
百分八税但生憂
百分の八税但だ憂いを生ず
解説
神奈川新聞平成26年 月 日日曜日版から転載
漢詩の作り方
≪漢詩アラカルト≫
遊び心いっぱいで、舌を巻
いたのは石川晏子さんの「狩
猟王フェルディナント公」と
いう漢詩だ。ボヘミアの森に
あるコノピシュチェ城の主フ
ェルディナント公を詠んだ。
「寒天鞭打躍金鞍/鞍上大公
回首弾/弾射山麋血侵雪/雪
華繚乱馬噺寒」。1宇目と7
宇目の文字がつながり、元に
戻る連環体。驚くぺき技巧だ。
以下は読み下し文。
<寒天鞭打すれば金鞍躍る/
鞍上の大公、首を回らして弾
つ/弾は山麋を射て血は雪を
侵す/雲華繚乱、馬噺寒し>
作者紹介
岡崎満義
神奈川県漢詩連盟会長
shinkanren@.jp
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