ブルーライト漢詩50

    横浜中華街
        横浜中華街

     旗店連軒金港辺
    旗店(料理屋)軒を連ぬ金港のほとり
     芳餐醇醴酔陶然
  芳餐ほうさん(ご馳走)醇醴じゅんれい(良い酒)酔うて陶然
     尤欣嚼味東坡肉
     もっとよろこ東坡肉とうばにく嚼味しゃくみするを
     倭漢千年詩酒縁
      倭漢わかん(日中)千年の詩酒の縁
       

解説

神奈川新聞平成29年3月5日日曜日版から転載

≪漢詩アラカルト≫

 神奈川県漢詩連盟の発 足と発展は、朝日カルチ ャーセンター横浜の「漢 詩実作教室」の窪寺啓先 生なくしては考えられな い。教室の生徒を中心に 連盟を結成、あらゆる行 事に窪寺先生に参加して もらいご指導願った。教 室の先生はまことにきび しいが、それでもついて いくのは、先生の漢詩へ の情熱がひしと感じられ るからだ。先生が最近刊 行された「同塵舎詩鈔・ 第三集」の中の「横浜望 港公園即事」という詩。 「潮風阜(おか)を侵し 清香を送る/目に満つ薔 薇碧洋に対す/五彩天に 映じ須らく春尽すべし/ 何ぞ國色(牡丹)に輸(ま) けんや新妝傲る」

作者紹介

岡崎満義
おかざき・みつよし
1936年鳥取県生まれ。京都大文学部卒。 60年文芸春秋入社。
「ナンバー」「文芸春秋」編集長など。 99年退職。全日本漢詩連盟常務理事、 神奈川県漢詩連盟会長。
茅ヶ崎市在住。

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