ブルーライト漢詩49

    悼秋吉邦雄雅兄
        秋吉邦雄雅兄を悼む

     恬淡温容老大身
      恬淡てんたん温容 老大の身
     倶愉風雅費精神
    ともに風雅を楽しみ 精神を費やす
     多年交誼詩将酒
      多年の交誼 詩と酒と
     白玉楼中鶴駕賓
       白玉楼申 鶴駕の賓
       

解説

神奈川新聞平成29年2月5日日曜日版から転載

≪漢詩アラカルト≫

 2016年度二松学舎大学の 全国学生・生徒漢詩コンク ールの表彰式が昨年11月23 日に二松学舎で開かれた。
 生徒部門の優秀賞は仁愛 女子高・斉藤杏奈さんの
 「秋夜偶成」。
  虫声断続早涼生
  天地寥々銀漢横
  夜読風檐詩味好
  孤灯痩尽到深更
 (虫声断続して早涼生じ/ 天地寥々 銀漢横たわる/ 夜読の風檐 詩味好ろし/ 孤灯痩せ尽くし深更に到 る)
 若い人たち、中高生に漢 詩を作ってもらうのは至難 の業だ。生徒・学生漢詩コ ンクールに応募するのは学 校に漢詩に関心を持ち、自 らも詩作する実力のある先 生がいるかどうかにかかっ ている。前途はきびしい。

作者紹介

岡崎満義
おかざき・みつよし
1936年鳥取県生まれ。京都大文学部卒。 60年文芸春秋入社。
「ナンバー」「文芸春秋」編集長など。 99年退職。全日本漢詩連盟常務理事、 神奈川県漢詩連盟会長。
茅ヶ崎市在住。

前へ 次へ  目次へ