ブルーライト漢詩7

　贈大魔神佐々木主浩投手
　　　　　大魔神佐々木主浩役牛に贈る

　　　　　懸河百尺秘球人
　　　　　懸河百尺（落差の大きい）
　　　　　秘球（フォークボール）の人
　　　　　躍動身躯真絶倫
　　　　　躍動する身躯からだは真に絶倫
　　　　　緬想横浜優勝日
　　　　　緬はるかに想う横浜優勝の日
　　　　　熱狂民祀大魔神
　　　　　熱狂の民は祀まつる大魔神

解説

神奈川新聞平成25年4月7日日曜日版から転載

≪漢詩の作り方③≫

≪漢詩の作り方④≫ 　漢詩の平仄(ひょうそく) の並べ方には２タイプあ る。起句(１句目。以下、順 に承句・転句・結句)の２ 宇目を○とするのが｢平起 式｣。二六対、二四不同、孤平 不可、一三五不論のルール を適用すると、△○△●● ○○／△●△○△●○／△ ●△○○●●／△○△●● ○○(△は平仄どちらでも 可)。今回は、大魔神(●○ ○)を結句の下３字に使い たかったので｢平起式｣。同 じ韻の秘球人(●○○)､真 絶倫(○●○)を考え、上４ 字の平仄も案配した。｢仄起 式｣は起句2宇目が仄字で、 残りの平仄も反対となる。

○○●●●○○　●●○○○●○
懸河百尺秘球人／躍動身躯真絶倫
●●○○○●●　●○○●●○○
緬想横浜優勝日／熱狂民祀大魔神

○は平、●は平 ◎は韻（人、倫、神＝真韻）

作者紹介

岡崎満義
おかざき・みつよし
1936年鳥取県生まれ。京都大文学部卒。 60年文芸春秋入社。
「ナンバー」「文芸春秋」編集長など。 99年退職。全日本漢詩連盟常務理事、 神奈川県漢詩連盟会長。
茅ヶ崎市在住。
shinkanren@.jp