ブルーライト漢詩23

     月山

     攀来険径立山巓
      険径けんけい(険しい道)をじ来たリ 
      山巓さんてんに立つ
     残雪碧苔雲気纏
      残雪 碧苔 雲気まと
     追慕蕉翁巡歴跡
      追慕す 蕉翁 巡歴の跡
     白雲纔動洗襟辺
      白雲 わずかに動き 襟辺きんぺんを洗う

解説

神奈川新聞平成26年8月 日日曜日版から転載

漢詩の作り方

≪漢詩アラカルト≫
  理科系出身者に漢詩の上手 な人が多い、と感じる。例え ば地震学が専門の村内必典 氏。1956年に始まった南極観 測隊に参加、越冬も経験した 96歳の科学者で、漢詩に魅せ られた一人だ。氏は「日本人 の作る『和風漢字詩』があっ てもいい」と唱えている。例 えば「原爆投下」という32行 の詩はこんな感じだ。「昭和 廿年八月朝/六日快晴講義中 /全天閃光受衝撃/驚望北東 赤火球/・・・/最近世界不安 寧/原爆廃止願望空/早急開 発防衛機/海上撃落敵原爆」

作者紹介

岡崎満義
神奈川県漢詩連盟会長
shinkanren@.jp

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