ブルーライト漢詩27

  神無月千家国麿氏与
  高円宮典子女王成婚

神無かんな月に千家国麿氏 高円宮たかまどのみや典子女王と成婚

     成婚今就両鴛鴦
     成婚今る両鴛鴦(おしどり)
     才媛清容誇麗粧
      才媛清容 麗粧を誇る
     堪喜出雲神在月
     喜ぶに堪えたり出雲いずも神在月かみありつき
     千家華燭菊花香
  千家(多くの家々)の華燭 菊花香る

解説

神奈川新聞平成27年1月4日日曜日版から転載

漢詩の作り方

≪漢詩アラカルト≫
 現役時代、私は会社の野鳥の会 に入っていて、月に1回は仲間と バードウォッチングに出かけてい た。大磯町の海岸には、夏になる と丹沢山系の里山からアオバトが 飛来する。ひなのために海水を吸 飲してミネラルを摂取するのだ。
 漢詩仲間の大原真理子さんのア オバトの詩。
 青鳩索鹵大磯礁/高下頻頻抗暮
 潮/料得孱雛孑然待/余光為彼
 少無消一青鳩しおからを索む大磯の
 礁、高下頻々暮潮にあらがう、料
 り得たり 雛(ひな)孑然げつぜん(ぽ
つねん)として待つを、余光彼
が為にしばらく消ゆること無かれ。



作者紹介

岡崎満義
おかざき・みつよし
1936年鳥取県生まれ。京都大文学部卒。 60年文芸春秋入社。
「ナンバー」「文芸春秋」編集長など。 99年退職。全日本漢詩連盟常務理事、 神奈川県漢詩連盟会長。
茅ヶ崎市在住。
shinkanren@.jp

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