ブルーライト漢詩33

 贈撫子日本女子足球隊
   撫子日本なでしこジャパン女子足球隊サッカーチームに贈る

     自在操球飛燕姿
     自在にの球を操る飛燕の姿
     四年前掲日章旗
       四年前掲ぐ日章旗
     還知今載異邦躍
   た知る今載(今年)異邦に躍るを
     八咫烏翔歓喜時
      八咫烏はかける歓喜の時

解説

神奈川新聞平成27年8月2日日曜日版から転載

≪漢詩アラカルト≫

 最近、詩歌の初心者のた めの素晴らしい入門書が2 冊でた。石川忠久「漢詩の稽 古」(大修館書店)と芥川賞 受賞の又吉直樹×堀本裕樹 「芸人と俳人」(集英社)。
 前著は30年続く作詩の会 で、お弟子さんたちが提出 した詩にヒントを与えて推 敲(すいこう)させ、さら に懇切丁寧に添削した実例 集で、作詩の勘所がよく分 かる。
 後著は今や時の人となっ た又吉さんがプロの俳人、 堀本さんの胸を借りて有季 定型俳句をーから学んでい くプロセスを対話の形でま とめたものだ。俳句は17音、 漢詩も絶句は20字か28字と いう短詩だが、発想や句の 作り方などに共通する点が あり、読み比べると面白い。

作者紹介

岡崎満義
おかざき・みつよし
1936年鳥取県生まれ。京都大文学部卒。 60年文芸春秋入社。
「ナンバー」「文芸春秋」編集長など。 99年退職。全日本漢詩連盟常務理事、 神奈川県漢詩連盟会長。
茅ヶ崎市在住。
shinkanren@.jp

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