ブルーライト漢詩37

 

  観橄欖球比賽有感
   橄欖球ラクビー比賽ひさい(試合)を観て感あり

     激闘場中熱気流
     激闘の場中 熱気流る
     天高蹴上楕円球
     天高く蹴り上げる楕円球だえんきゅう
     落来後転又横躍
   落ち来りて後転し又横にねる
     恰似人生手不収
   あたかも似たり人生の手に収まらざるに

解説

神奈川新聞平成27年11月1日日曜日版から転載

≪漢詩アラカルト≫

 今年の全日本漢詩大会 は菅原道真ゆかりノの福岡 県太宰府市で10月17日に 開かれた。応募詩の数は 624首。文部科学大臣賞 は兵庫県芦屋市の渡邊和 幸さんの「西伯利亜(シ ベリア)墓標」だった。
 雁叫胡天落日原
 凍飢苛役度朝昏
 一書不至故山杳
 空朽幾多蘇武魂
「雁は胡天に叫ぶ落日の 原/凍飢苛役 朝昏度る /一書至らず故山杳かに /空しく朽ちる幾多 蘇 武の魂」
 石川忠久・審査委員長 評「先の大戦にシベリア ヘ連行されて命を落とし た兵士を弔ったもの,何 と言っても漢代の蘇武の 故事になぞらえた機知が 光る」

作者紹介

岡崎満義
おかざき・みつよし
1936年鳥取県生まれ。京都大文学部卒。 60年文芸春秋入社。
「ナンバー」「文芸春秋」編集長など。 99年退職。全日本漢詩連盟常務理事、 神奈川県漢詩連盟会長。
茅ヶ崎市在住。
shinkanren@.jp

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