ブルーライト漢詩40

 

   高梨沙羅選手
  獲滑雪跳躍世界杯

     滑雪台高操橇工
  滑雪台高くそり(スキー)を操ることたくみに
     飛禽如此貫虚空
  飛禽ひきん(飛ぶ鳥)くの如く虚空を貫く
     瞬時執地身安泰
     瞬時地をとらえて身は安泰
     脱帽可憐一少女
  帽(ヘルメット)を脱げば可憐かれんな一少女

解説

神奈川新聞平成28年3月6日日曜日版から転載

≪漢詩アラカルト≫

 静岡県は富士山が世界遺産に なって、2月23日を「富士山の 日」と決め、それを記念して「富 士山漢詩コンテスト」を実施。こ のほど入賞作品が決まった。最 優秀賞は堺市・山本武雄さん。
  富嶽
 屹立雄姿東海湾
 穿雲戴雪隔人
 詩文難尽筆難画
 不動泰然無我山
 「屹立(きりりつ)せる雄姿東 海の湾/雲を穿(うが)ち雪を 戴き人 (じんかん=人の世) を隔つ/詩文尽くし難く筆画き 難し/不動泰然無我の山」
 富士山の漢詩では江戸時代の 石川丈山の七言絶句でとくに転 結句「雪は 素(がんそ)の如 く煙は柄の如し/白扇倒(さか) しまに懸る東海の天」が有名だ。

作者紹介

岡崎満義
おかざき・みつよし
1936年鳥取県生まれ。京都大文学部卒。 60年文芸春秋入社。
「ナンバー」「文芸春秋」編集長など。 99年退職。全日本漢詩連盟常務理事、 神奈川県漢詩連盟会長。
茅ヶ崎市在住。

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