ブルーライト漢詩41

 

  賀sii house開店一周年
 sii house開店一周年を賀す

     湘南開店値時宜
    湘南に店を開き時宜に
     主客相和肝胆披
      主客相和して肝胆ひら
     加喱味全談熟処
    加喱カレーの味はまったし談熟する処
     破顔伉儷有矜持
   破顔の伉儷こうれい矜持きんじ有り(誇りをもつ)

解説

神奈川新聞平成28年5月1日日曜日版から転載

≪漢詩アラカルト≫

 「全漢詩連会報」52号に 載せるため、音楽評論家の 湯川れい子きんに漢詩にま つわるエケッセーを頼んだ。 父上,は長ら中国駐在武官 だづたから物心づいjた頃に は家のあちこちに漢詩の書 があったそうだ。今も仕事 に疲れたときは白居易の長 恨歌jを読んで息を抜くとい う漢詩ファンだ。
 その湯川さんが父上から 教わった詩の一節「千鈞の 弩(ど)は鼷鼠(けいそ) のために機を発(はな)た ず」ーー重い大きな弓]は八 ツカネズミのようこな小物に 使づてはならな。男たる もの、小さなことに腹を立 てるな。湯川さんのジヤズ 評論にこんな漢詩の血が流 れている。

作者紹介

岡崎満義
おかざき・みつよし
1936年鳥取県生まれ。京都大文学部卒。 60年文芸春秋入社。
「ナンバー」「文芸春秋」編集長など。 99年退職。全日本漢詩連盟常務理事、 神奈川県漢詩連盟会長。
茅ヶ崎市在住。

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