ブルーライト漢詩46

山口蓬春記念館観柏梁体屏風
   山口蓬春記念館に柏梁体屏風を観る

    臨海草堂秋欲來燃
    海に臨む草堂 秋来らんと欲す
     名家攅集葉山隈
      名家攅集さんしゅうす葉山のくま
    一人一句称明月鑒
     一人一句名月をたたえる
     妙筆画屏無俗埃
      妙筆の画屏俗埃ぞくあい無し
       

解説

神奈川新聞平成28年10月2日日曜日版から転載

≪漢詩アラカルト≫

 今年の全日本漢詩大会 は京都で開かれた。投稿 された七言絶句は657首 で、近年では最も多く、 京都大会は盛会だった。 文部科学大臣賞は東京 ・山田治さんの厂古都晩 景亅。 秋老鴨川斜日浮 浮図千載地偏幽 幽鐘勾引東山月 月冷観音堂外秋 「秋老ゆる鴨川 斜日浮 かび/ 浮図は千載 地は 偏(ひとえ)に幽なり/  幽鐘は勾引す 東山の月 /月冷ややかなり 観畜 堂外の秋亅 神漢連では83歳の秋吉 邦雄さんが厂鶴陵廟(鷦岡 八幡宮)偶成」という詩で NHK京都放送局賞を受 賞されたが殘念ながら表 彰の前に急逝された。

作者紹介

岡崎満義
おかざき・みつよし
1936年鳥取県生まれ。京都大文学部卒。 60年文芸春秋入社。
「ナンバー」「文芸春秋」編集長など。 99年退職。全日本漢詩連盟常務理事、 神奈川県漢詩連盟会長。
茅ヶ崎市在住。

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