第11回講義 音声を聞くにはプラグインが必要です。 (ブラウザの設定にもよりますが音声を聞くには 「ブロックされているコンテンツを許可」し、 スタートボタンをクリックしてください。) |
再掲 安史の乱と李白 |
字句解釈 |
地図 中国文学地図 人名 玄宗皇帝 楊 貴妃 高 力士 安 禄山 史 思明 杜 甫 孟 浩然 王 維 張 九齢 李 林甫 楊 国忠 粛宗 永王 璘 地名 霊武 九江 江陵 荊州 襄陽 洛陽 河東(太原) 廬山 馬嵬 四川省成都 用語 節度使 |
黄鶴樓送孟浩然之廣陵 唐 李 白 漢詩を楽しむ 38頁 全唐詩 巻一百七十四 |
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南流夜郎寄内 唐 李 白 全唐詩 巻一百八十四 李白二十四 |
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字句解釈 |
内 内室、妻。李白の4番目の室。 天外 はるかかなた。 怨離居 離れて住んでいるのがかなしい。 音信疎 便りがまばらである。手紙が来ない。 春帰 雁が春になって帰ってしまって。 豫章書 豫章は楠のことだが、ここでは「豫章行」という楽府題(歌)。互いにやり取りする相聞歌。 ここでは手紙のやり取りがないことをいう。 |
詩の鑑賞 |
あなたから手紙が来ないと奥さんに言って悲しんでいる。 |
再掲 贈内 唐 李 白 全唐詩巻一百八十四 李白二十四 |
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字句解釈 |
太常 宮廷にあって祭祀を祀る役人。年中精進潔斎して身の汚れを避ける。後漢の太常が病んだとき妻が見舞ったら 罪にした。太常の妻は割に合わぬ。(後漢書) 酔如泥 「泥酔」の泥は蟲。蟲は動物の総称。羽のある動物は羽蟲、甲羅のある動物は甲蟲、鱗のある動物は鱗蟲、 毛のある動物は毛蟲、裸の動物は裸蟲。それぞれのトップは鳳凰、神亀、蛟龍、麒麟、聖人。 泥蟲は「南海有蟲 無骨名曰泥(でい) 在水則活 無水則酔如堆泥」。 どうやらクラゲのようである。泥は「どろ」ではなくて「でい」と読むべし。 |
詩の鑑賞 |
李白が獄に居たときに妻室に贈った詩。平仄不良。 |
陪族叔刑部侍郎曄及中書賈舍人至遊洞庭 唐 李 白 漢詩を楽しむ 35頁 全唐詩 巻一百七十九 |
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字句解釈 |
族叔 一族の叔父。父と同年代の父より若いおじさん。父の弟。年上なら族伯。 刑部侍郎曄 刑部侍郎は職名。同姓の李曄。嶺南に流刑される途中。 中書賈舍人至 中書舍人は職名。賈至。岳陽に流刑中。 陪 高貴な人の伴をする。 楚江分 楚江は長江のこと。洞庭湖は長江の北で長江に繋がっている。 長沙 長沙は流刑の地。後漢の洛陽の才子賈誼 の流されたところであり、これから李曄の流されるところ。 湘君 堯帝(BC2000以前)の二人の娘。 娥皇、女英が舜帝の室となり、舜帝が南方巡狩で薨去したとき、娥皇、女英は洞庭湖に身投げした。 洞庭湖にその廟がある。孔子は堯・舜代は世がよくおさまり理想の時代という。 もうちょと詳しく |
詩の鑑賞 |
李白が流刑を許されて岳陽に帰った時、一族の李曄が嶺南に流される途中で岳陽にいた。 賈至は流刑で岳陽に滞在中であった。3人で洞庭湖に遊んだ。659年、李白59歳の作。 |
再掲を含む 陪族叔刑部侍郎曄及中書賈舍人至遊洞庭五首 唐 李 白 全唐詩 巻一百七十九 |
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字句解釈 |
耐可 むしろーーーすべし。むしろーーーしたほうがよい。むしろーーーしたいなあ。 賖月色 賖(しょ、おぎのる)は「かけ」でただで買い物すること。月色をただ買いして。 洛陽才子 一般には後漢の賈誼 のことを言うが、ここでは李曄と賈至のこと。 元禮同舟 後漢時代(BC200~300)の李膺、字、元禮が、任地を去る友人、郭泰と同じ船に乗って川を下った。 これを見た人が、まるで仙人が二人、同舟しているようだと言ったという故事。 記得長安 後漢の桓譚の「桓譚新論」にある故事。一度長安に住んだことのある人は、後年、 花の都長安を思うだけで、その楽しかった思い出に、笑いがこみ上げたという。 瀟湘 瀟水と湘水。洞庭湖にそそいでいる。 早鴻 鴻はおおとり、白鳥、おおがも。早く渡ってきた鴻。 白苧 呉の歌の名前。相聞歌。苧はあさ(植物)の一種。 帝子 一般には天子の子、皇太子。ここでは堯の娘の娥皇と 。 淡掃明湖開玉鏡 洞庭湖の女神(湘君)が薄化粧をして、洞庭湖をさっと掃いて、玉の鏡が開く。 丹青 赤と青。 君山 湘君の廟のある山。 |
詩の鑑賞 |
李白最晩年、59歳の作である。この後、李白は長江を下り九江、盧山に還り、 南京あたりに遊んだりした。その後、九江郡當塗県の県令李陽泳の家に奇遇していたが、 762年62歳で没した。死因は腐脇疾といわれるが、一説では洞庭湖で月を掬おうとして舟から落ちて死んだという。 |
再掲 秋浦歌 唐 李 白 漢詩を楽しむ16頁 漢詩鑑賞辞典244頁 唐詩選中353頁 |
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