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杜 甫 作詩の背景 |
「杜甫年譜」 |
杜甫年譜1 712年 1歳 ~739年 28歳 杜甫年譜2 740年 29歳 ~755年 44歳 杜甫年譜3 756年 45歳 ~763年 52歳 杜甫年譜4 764年 53歳 ~739年 59歳 |
「詩人杜甫の 足あと」 |
人名 玄宗皇帝 楊貴妃 李林甫 張九齢 崔氏 清少納言 楊 国忠 安禄山 阿倍仲麻呂 毛沢東 高力士 肅宗 地名 洛陽 長安 奉先 平盧(遼寧) 范陽(北京) 河東(太原) 鄜州 延安 散関 四川省(成都) 剣閣 馬嵬 霊武 用語 科挙 開元の治 貞観の治 遺賢 三大禮賦 右衛率府胄曹参軍 安史の乱 節度使 書名 懐風藻 万葉集 |
再 掲 貧交行 唐 杜 甫 漢詩を楽しむ 47頁 漢詩鑑賞辞典 286頁 全唐詩 巻二百十六 |
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再 掲 兵車行 唐 杜 甫 漢詩鑑賞辞典 288頁 全唐詩 卷二百一十六 |
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再 掲 春 望 唐 杜 甫 漢詩を楽しむ 17頁 漢詩鑑賞辞典295頁 |
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再 掲 月 夜 唐 杜 甫 漢詩鑑賞辞典293頁 |
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哀江頭 唐 杜 甫 漢詩鑑賞辞典 297頁 全唐詩 卷二百一十六 |
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字句解釈 |
為誰綠 ここまでが、第1節(日本式)、中国式では第1解。以下、「侍君側」まで、第2節、 「雙飛翼」第3節、「無消息」第4節、「忘南北」第5節。 「長安城」の解説 東西10km、南北9km。皇城は3km四方。 興慶宮。 曲江。 曲水の宴。 大雁塔。 宣帝。 少陵野老 少陵に住んでいる野郎。自分のこと。杜陵の布衣ともいう。 江頭 曲江のほとり。 春日 757年春。 新蒲 芽吹いたばかりの「がま」。 霓旌 「にじ」色の旌(旗)。皇帝のはた。「霓」雄のにじ(濃い)。ちなみに、「虹」は雌のにじ(色が薄い)。 昭陽殿裏第一人 昭陽殿は漢代の成帝が趙飛燕のために建てた宮殿だが、ここでは楊貴妃のこと。 才人 後宮の職官。二十七世婦(?妤、美人、才人。正三品~正五品)のひとつ。 雙飛翼 2羽の鳥。鳥が落ちるのは縁起がよくない。暗い将来を暗示する。 明眸皓齒 明るい瞳と白い歯。美人の形容。 遊魂 さまようたましい。魂は心、魄は身体を司る。死ぬと人から離れる。 去住彼此消息 去るもの(玄宗)、残るもの(楊貴妃)互いに消息がない。 清渭 清い渭水。馬嵬は渭水の傍にある。 人生有情 自分には情がある。 臆 胸。 |
詩の鑑賞 |
至徳2年、757年春の作。古詩。古詩は段落ごとに韻を変えるのが普通である(換韻)が、 この詩は第1節は通院で、その他はひとつの「職」韻で通している。見事である。 この後、杜甫は脱出して、肅宗のところに出仕し、5月に左拾遺を授けられる。 |
樂游原 唐 李商隱 漢詩を楽しむ 24頁 漢詩鑑賞辞典 568頁 全唐詩 卷五百三十九 |
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字句解釈 |
意不適 なんとなく憂鬱だ。 古原 樂游原。長安の東にある。 近黄昏 長くは続かない、やがてお終いになる。 |
詩の鑑賞 |
李商隱の名作。目の前の長安と秦嶺山脈に落ちる夕陽を見て、自分の人生の終末を思う。 |
曲 江 二首 その二 唐 杜 甫 漢詩を楽しむ 23頁 漢詩鑑賞辞典 304頁 全唐詩 巻二百二十五 |
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字句解釈 |
朝回 依朝回の略。朝、朝廷から帰る。 典春衣 春の衣を質に入れる。 人生七十古來稀 あまりにも有名な一句。 蛺蝶 ちょうちょう。 深深 奥深くよく見えぬ様。静まり返っているさま。 蜻蜓 とんぼ。 款款 ゆるやかな様子。 傳語風光共流轉,暫時相賞莫相違。 風光に伝えよう、わたしとともに流れていこうと。 しばらくの間お互いに賞して、互いにそむきあうことのないようにしよう。 |
詩の鑑賞 |
757年11月長安は回復された。杜甫は左拾遺として長安に帰ったが、肅宗に疎んぜられた。これは翌年春の作。 律詩。杜甫は律詩の名人である。律詩の要件である対句が見事である。「尋常」と「七十」は対になっていないように見えるが 「尋」は「1尋(ひとひろ)」、「常」は「2尋(ふたひろ)」とすれば納得できる。 「蛺蝶」、「蜻蜓」、「深深」、「款款」ともに重韻。 この詩は、杜甫らしくない、投げやりでデカダンスである。酒が出てくるが、下記の、陶淵明の「飲酒」にみるような、 心から酒を楽しむ雰囲気はない。苦しい酒である。 |
飲酒 晋 陶 潜 漢詩鑑賞辞典 49頁 |
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詩の鑑賞 |
陶淵明の酒を楽しむ悠々自適の心の様子がよく詠われている。 |