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白居易 作詩の背景 |
「白楽天年譜」 |
白楽天年譜1 772年 1歳 ~800年 29歳 |
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字句解釈 |
漢使 漢からの使者。 卻回 還る。 憑 たのむ。依頼する。 蛾眉 美人。王昭君のこと。 贖 あがなう。買う。 不如 しかず。およばない。 別情 別れの悲しみ。 |
詩の鑑賞 |
白居易十七歳の作。王昭君を題材に、説明調ではない詩をすでに作っている、後に長恨歌ができるのを 予告しているようだ。 |
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字句解釈 |
銷殘黛 黛はまゆずみ。殘はやつれた、きえかかった。銷は消とおなじ。 臉 けん。目の下のあたり、顔のこと。仄字。顔に同じ。顔は平字。 辛勤 しんぎん。つらいつとめ。 憔悴 しょうすい。やせおとろえること。 盡 動詞+盡でその動作の極限までの意。 |
詩の鑑賞 |
白居易、同じく十七歳の作。単なる史実ではない物語性、面白さがある。 |
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字句解釈 |
流影 月影。 明妃 王昭君のこと、明君ともいう。本名、嬙、字、昭。後世、晋文帝(司馬昭)を憚って 王昭君と言わなくなった。 玉關 玉門關。王昭君は長安の北、内モンゴルに行ったのであって玉門關には 行っていないがここでは域外遠くのという意。 燕支 匈奴の地名。紅の産地、転じて、美人の住むところ。 憔悴 しょうすい。やせおとろえること。 紅頬 紅顔、美人の顔。 妾 めかけ。実際には正室であった。 |
詩の鑑賞 |
李白らしい王昭君。白居易も読んで「蛾眉憔悴沒胡沙」を使っている。 |
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字句解釈 |
歸覲 国に帰って、両親や主君に謁する(まみえる)こと。参勤交代の勤は覲の意であったのではなかろうか? 苦學 苦労して学ぶ。日本の苦學は学費を稼いで学ぶ意でちょっと違う。 上 上第(じょうだい)。試験に及第すること。 擢 擢第(たくだい)。試験に及第すること。 時輩 同時合格者。 軒車 弓型の屋根の立派な車。 動行色 車が動き出す。 別恨 わかれの悲しみ。 半酣 ほろよい。 |
詩の鑑賞 |
白居易29歳、科挙に合格した時の作。得意満面の浮き浮きした様子を正直に詠っている。 23歳の時、父を失い、一時苦労したが、科挙合格17人中4番、最年少でよろこびもひとしおであったろう。 |
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白居易 作詩の背景 |
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字句解釈 |
常樂里 長安東南。 校書郎 懶慢者 なまけもの。 殊 ことなる。異と同じ。 典校 証書の間違いをチェックする。 三旬 30日。旬は10日。 頑疏 おろかでうとい。 間 部屋。 牽 とらわれごと。 蘭台 秘書省。 讎校 典校と同じ。誤りを正す。 竹、君子 詩経の衛風に記述あり。「切磋琢磨」 |
詩の鑑賞 |
白居易32歳、はじめて、校書郎に任官した時の作。初月給もらった時の雰囲気がよくでている。 詩経を踏まえた、竹と君子を持ってきて結句としている。 |
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字句解釈 |
性情 性質。 懶慢 なまけもの。 蕭條 さびしいさま。 憐 愛する。 蹋 ふむ、ける。踏むに同じ。 杏壇 道教の寺、華陽觀のこと。 芸閣 秘書省の図書館。書斎。 官微 位が低い。 文行 文雅な行い。 憔悴 やせおとろえる。 霄漢 朝廷のこと。 待何人 朝廷は、君子である我々を憔悴させて、誰を待っているというのか? |
詩の鑑賞 |
白居易34歳、「才職兼茂明於体用科」の受験勉強中の作。2年前には満足していた待遇に不満が生じている。 世の中を見る目が変化してきている。後年の、世のいろいろな矛盾を詩にする兆候が見えている。 |
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字句解釈 |
勝地 景勝地。 大都 おおむね。(大都会ではない。) |
詩の鑑賞 |
白居易36歳、「才職兼茂明於体用科」に合格後の作。「山屬愛山人」、顕官、金持ちの占有ではない、 と言いたいのだろうか?もっともだ。 |