第35回講義

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2017.05.25 録音

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王維作詩の背景



「王維年譜」



「唐王朝年表」

王維年譜1 699年 1歳 ~727年 29歳
王維年譜2 730年 32歳 ~747年 49歳
王維年譜3 750年 52歳 ~761年 63歳

唐王朝年表1 618年 高 宗 ~779年 代 宗
唐王朝年表2 779年 徳 宗 ~907年 哀 宗


中国文学地図

地名  長安  洛陽  永斎  太源
川名・湖名  黄河  渭水


「人名・用語・書名」

人名  王維  玄宗皇帝  則天武后  楊貴妃  阿倍仲麻呂  玄奘三蔵  陶淵明 孟浩然  李白  杜甫  王昌齢  張九齢  韋応物  柳宗元  高祖李淵  太宗李世民
用語  開元の治  貞観の治  南画

     
 

再掲


送元二使安西  唐 王 維

漢詩を楽しむ25頁 漢詩鑑賞辞典178頁 全唐詩巻二十七


 送元二使安西  王 維

渭城朝雨浥輕塵,

客舍青青柳色新。

勸君更盡一杯酒,

西出陽關無故人。


 元二げんじ安西あんせい使つかいするをおくる  王 維おうい

渭城いじょう朝雨ちょうう 輕塵けいじんうるお

客舍かくしゃ 青青せいせい 柳色りゅうしょくあらたなり

きみすすむ さらつくせ 一杯いっぱいさけ

西にしのかた陽關ようかんずれば 故人こじんからん


字句解釈

元二     「元」と言う家の従弟の二番目。排行で一番目を「太」以下二、三、四、--。

安西     現在の安西は清代からで、唐代の安西は今のクチャ(庫車)である。 都護府  白村江の戦い

渭城     渭水のほり咸陽。西へ向かう旅人を送ったところ。

陽關     祁連山脈北西端。

客舍     旅館。

柳      楊柳。「楊」はネコヤナギ、「柳」シダレヤナギ。輪にして旅人の帰還を祈った。

故人     友人、知人。


詩の鑑賞

王維の代表作のひとつ。旅行する人への送別の代表詩。「陽関三畳」 にかかわる白居易の「陽関第四声」は「西出陽關無故人」のことである。


 


王維作詩の背景

周王朝の興亡


「王維年譜」




「唐王朝年表」

王維年譜1 699年 1歳 ~727年 29歳
王維年譜2 730年 32歳 ~747年 49歳
王維年譜3 750年 52歳 ~761年 63歳

唐王朝年表1 618年 高 宗 ~779年 代 宗
唐王朝年表2 779年 徳 宗 ~907年 哀 宗



中国文学地図

地名  長安  洛陽  永斎  太源


人名用語書名

人名  王維  玄宗皇帝  則天武后  高祖李淵  太宗李世民
用語  貞観の治  武周革命  開元の治

     



電池切れトラブルのため録音が中断しました。
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また、この前後の録音に乱れがあります。ご容赦ください。

詩 吟  細江利昭様

 送元二使安西  王 維



 送元二使安西  王 維

渭城朝雨浥輕塵,

客舍青青柳色新。

勸君更盡一杯酒,

西出陽關無故人。

 元二げんじ安西あんせい使つかいするをおくる  王 維おうい

渭城いじょう朝雨ちょうう 輕塵けいじんうるお

客舍かくしゃ 青青せいせい 柳色りゅうしょくあらたなり

きみすすむ さらつくせ 一杯いっぱいさけ

西にしのかた陽關ようかんずれば 故人こじんからん



 

過始皇墓   唐 王 維

王維100選   全唐詩卷四百五十七


 過始皇墓  王 維

     時歳十五

古墓成蒼嶺,

幽宮象紫台。

星辰七曜隔,

河漢九泉開。

有海人寧渡,

無春雁不回。

更聞松韻切,

疑是大夫哀。

 始皇しこうはかよぎる    王 維おうい

        ときとし十五じゅうご

古墓こぼ 蒼嶺そうれい

幽宮ゆうきゅう 紫台したいかたどる

星辰しんせい 七曜しちようへだた

河漢かかん 九泉きゅうせんひら

うみり ひとなんわたらんや

はるく かりかえらず

さら松韻しょういんせつなるをけば

うたごうらくはれ 大夫たいふかなしみか


字句解釈

始皇墓   秦の始皇帝の墓。驪山にある。

過   よぎる。行った、であり、通り過ぎたではない。

幽宮   奥深い御殿。

紫台   皇帝の宮殿。

星辰   星座。

七曜   日、月、火、水、木、金、土星。

河漢   天の川。

松韻   松籟。松風の音。

大夫   大夫樹は松のこと。始皇帝が泰山封禅のとき雨宿りした松に大夫の位を与えた。 日本の五位鷺の類。


詩の鑑賞

 王維15歳の作。科挙を目指し長安に出たころ。



 

再掲


九月九日憶山東兄弟   唐 王 維

漢詩を楽しむ60頁 唐詩選下82頁 漢詩鑑賞辞典182頁 全唐詩卷四百六十


 九月九日憶山東兄弟
       王 維
        時歳十七

獨在異郷為異客,

毎逢佳節倍思親。

遙知兄弟登高處,

遍插茱萸少一人。


 九月九日くがつきゅうじつ山東さんとう兄弟けいていおも
       王 維おうい
        ときとし十七じゅうしち
ひと異郷いきょうりて 異客いかく

佳節かせつごとに ますますおやおも

はるかにる 兄弟けいていたかきにのぼところ

あまね茱萸しゅゆすも 一人いちにんかく


字句解釈

山東   「山中」とも。崋山の東。

憶   おもう。追憶、思い出す。おもうには、憶、想、思、惟、念、懐ーー。いろいろある。

佳節   重陽の節句。奇数が陽、偶数が陰。1月1日正月、3月3日上巳、5月5日端午、7月7日七夕、9月9日重陽。

親   親族、親、兄弟。

登高處   「たかきにのぼるところ。」であって「こうしょにのぼる。」ではない。處はときの意。

茱萸   赤い実がなる。重陽の日に頭に飾って高いところに上る風習。

     

詩の鑑賞

王維17歳の作。


Last modified    First updated 2017/06/10