第4回講義 峨眉山月歌 唐 李白 漢詩を楽しむ30頁、漢詩鑑賞辞典187頁、岩波唐詩選下39頁 音声を聞くにはプラグインが必要です。 (ブラウザの設定にもよりますが音声を聞くには 「ブロックされているコンテンツを許可」し、 スタートボタンをクリックしてください。) |
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字句解釈 |
峨眉山 成都南西の山、高さ3099m。普賢菩薩を祀る一大仏教聖地。北方から見ると眉のように見えるという。 峨眉山写真 峨、蛾、娥、いずれも美人の眉に用いられれる。 半輪 半月。15日が満月で半月は7,8日の月。 影 川に射す月の光。 平羌江水 成都南部の川。別名青衣江。峨眉山の北を流れ、大渡河に注ぐ。大渡河は岷江(長江)に合流する。 清溪 宿場の名。大渡河と岷江の合流点から下流へ少し下がったところにある。 三峡 峡谷の名。瞿塘峡、巫峡、西陵峡。 三峡写真 君 月のこと。峡谷であるために直接には月は見えない。或は友人、知人、思い人。 渝州 現在の重慶。隋の時代に渝州と名付けられた。 |
詩の鑑賞 |
李白は5歳のころから清蓮郷に育ち、若年にして成都において已に司馬相如に比す天才を認められた。 幼いころから多くの詩をつくったであろうが、今残っているいる詩の中でこの詩が最も若年のころの作である。 開元12年(724)、24歳の秋いよいよ成都を離れ波乱の人生行路を歩み始めることとなった。この詩はその時の作で、 大いなる希望と一抹の不安が漂う青年期の代表作であり、また、李白一生の中でも最も優れた傑作中の傑作 とされている。 詩の中に多くの固有名詞、峨眉山、平羌江、清溪、三峡、渝州、が上手に読み込まれている。峨、眉、平、羌、清、渝など 詩の内容にふさわしい文字が使われている。 |