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王維作詩の背景 |
「王維年譜」 「唐王朝年表」 |
王維年譜1 699年 1歳 ~727年 29歳 王維年譜2 730年 32歳 ~747年 49歳 王維年譜3 750年 52歳 ~761年 63歳 唐王朝年表1 618年 高 宗 ~779年 代 宗 唐王朝年表2 779年 徳 宗 ~907年 哀 宗 |
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字句解釈 |
山東 「山中」とも。崋山の東。 憶 おもう。追憶、思い出す。おもうには、憶、想、思、惟、念、懐ーー。いろいろある。 佳節 重陽の節句。奇数が陽、偶数が陰。1月1日正月、3月3日上巳、5月5日端午、7月7日七夕、9月9日重陽。 親 親族、親、兄弟。 登高處 「たかきにのぼるところ。」であって「こうしょにのぼる。」ではない。處はときの意。 茱萸 赤い実がなる。重陽の日に頭に飾って高いところに上る風習。 | 、
詩の鑑賞 |
王維17歳の作。九月九日重陽の節句については古来、文章、詩が多い。 最古は、文選に、陶淵明全集、 陶淵明伝の紹介がある。 陶淵明嘗九月九日無酒,於宅邊菊叢内,摘盈把坐其側久,望見白衣人至,乃弘送酒也。即便. 就酌,醉而復歸。(《北唐書 ... |
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字句解釈 |
崔國輔 載酒 酒を携えて。 楚客 左遷されて楚にいた。 沾裳 涙が衣をうるおす。 |
詩の鑑賞 |
九月九日の作例のひとつ。 |
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字句解釈 |
王之渙 薊庭 「あざみ」の生える北方の寂しい故郷。 斷蓬 根無し草。「転蓬」とも。 |
詩の鑑賞 |
九月九日送別の一例。 |
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字句解釈 |
張 諤 黄颯颯 黄葉がさっと降るさま。 白鱗鱗 青雲(うろこぐも)が白々と照るさま。 |
詩の鑑賞 |
九月九日の風習がしのばれる。 |
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字句解釈 |
戴復古 醉來 ようて。「來」は添え字で意味なし。 |
詩の鑑賞 |
九月九日、左遷の独り身が思いやられる。 |
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字句解釈 |
応製 天皇の求めに応じてつくる。 菅原道真 練白沙 白絹をさらす。 黄金化出菊叢花 黄金からできたような菊のくさむらの花。 嬴 かご。 豈若一経遺在家 家にある四書五経の一書に値しようか、いやしない。 |
詩の鑑賞 |
道真流の捻った一詩。 日本では九月九日の風習はないが、漢詩の世界では重九と言えば、登高、菊、酒、陶淵明である。 |
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字句解釈 |
賦得 題を与えられて作った。 京兆府試 科挙の地方試験(郷詩)の首都圏(長安)版で全国版より難関だったが、 王維は首席だった。この詩はその時のものである。科挙の漢詩は五言排律が多い。 清如玉壺冰 典故は文選にあり。南朝宋(420ー479)鮑照「白頭吟」。 直如朱絲繩、 清如玉壺冰。 何慚宿昔意、 猜恨坐相仍。 人情賤恩舊、世議逐衰興。 卓文君と司馬相如の 伝承による。 この故事によるがこれに基づく作例詩は多い。例 昌齡王 「芙蓉樓送辛漸」 方諸 はまぐり。はまぐりを月の夜にさらすと、あたかも月からやってきたように露がつく。 銷丹日 赤い太陽にも消えない。 綺疏 美しい窓。韻の関係で窓を疏としたか。 砌月餘 砌は石畳。石畳の月の光のなごり(餘)。 飛鵲鏡 鵲(かささぎ)が情を伝えた故事から、鏡には鵲の模様が描かれる。 聚螢書 南北朝北宋の故事。螢雪功(けいせつのこう)。 若向夫君比,清心尚不如。 玉壺の清らかさは、夫に対する私の清らかな心に比べれべ及ばない。 |
詩の鑑賞 |
王維19歳の作。典故盛りだが、若さのためか、わかり難い。 |
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字句解釈 |
王昌齡 冰心 氷のような清らかな心。 |
詩の鑑賞 |
王昌齡が南方に左遷されていたころの作。 |
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字句解釈 |
息夫人 楚は大国で、息国は蔡国の近くにあった。 |
詩の鑑賞 |
王維20歳、寧王、李憲の宴遊の席での作品、この詩に感じ、 寧王はほどなくこの女性を解放した。 |
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字句解釈 |
細腰 楚の宮廷では、腰の細い美人が好かれた。唐は豊満美女。 脈脈 じっとみつめること。肉月偏は目偏と同じ。 詩経に「牽牛織女」あり。 露桃 露井(井戸)のそばの桃の花(美人)。 至竟 しかしけっきょく。 金谷墜樓人 | 、
詩の鑑賞 |
杜牧のひねった詩。 |
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字句解釈 |
岐王 楊氏 名門金持ちか?。 應教 皇帝の需に応ずるのが應成、王の需に応ずるのが應教。教は「しむ」の意。 楊子 前漢の儒者。 淮王 前漢、「淮南子」の著者。 玉珂 馬車の馬かざり。門で別れるときに鳴る。 嚴城 街の城門。 | 、
詩の鑑賞 |
王維は若年から、故事典籍に通じ、高位高官の人々との付き合いがあった。 |