第9回講義-2/2 再掲 秋浦歌 唐 李 白 漢詩を楽しむ16頁、漢詩鑑賞辞典244頁 唐詩選中353頁 全唐詩巻167 音声を聞くにはプラグインが必要です。 (ブラウザの設定にもよりますが音声を聞くには 「ブロックされているコンテンツを許可」し、 スタートボタンをクリックしてください。) |
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字句解釈 |
秋浦 地名。九江と南京の中間の貴池のあたり。李白54,5歳のころの滞在地。 近くに黄山という名山がある、その西の秋浦川がある。 白髪三千丈 1丈は10尺。1尺は唐代は22.5cm。 3000丈は6000m。後宮3000人、食客3000人など、とにかく多い、驚きの表現。 緣愁 うれいによって(原因)。因縁。 日本語のよるには、依る(いらいする、よりかかる)、寄る、因る、拠る、撚る、 倚る(よりかかる)、由る、選る、憑る、などいろいろある。それぞれ使い方がある。 明鏡 美しい、明るい鏡。よく写る鏡。張九齢の用例あり。関連詩1参照 |
詩の鑑賞 |
孟浩然に遅れること12年、杜甫に先立つこと11年に生まれた大詩人。杜甫の詩聖に対し詩仙と称される。 李白酒一斗詩100編。溢れるように傑作が出来た。 この詩は李白晩年の作。李白が秋浦を訪れた機会は 、安禄山の乱の前後、54、55歳と58歳の二度ある。 この詩のできた時期については説が分かれる。 白髪三千丈 ああーー老いたなーーーー。深い嘆き。 この詩はこの一句に尽きる。 この詩は、日本人なら知らない人のいない千古の絶唱である。十七首の秋蒲歌のうちでもこの詩がっもとも 優れている。 |
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字句解釈 |
蕭条 ものさびしい。 客愁 客は故里を離れている人。 不可度 度は「あいつはどしがたい。」のど。どうしようもない。 東大樓 東にある大きな高殿。 寄言向江水 江水に向かって言を寄す。平仄の関係で逆になっている。 儂 われ、わし。江南の俗語のようだ。 不 仄 しない。 平 いなや。ここは後者。 一掬涙 ひとすくいの涙。 達揚州 揚州に伝え、そして、長安に伝えてくれ。 |
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字句解釈 |
猿夜愁 猿の鳴き声に作者が愁える、または、猿が夜、愁えている。 黄山 雪を被った黄山。その白い黄山のように自分の髪も白くなた。 清溪 清らかな谷川。 隴水 隴山から出る川。長安の西方西域の入り口にある。長安のと別れる淋しさに涙を流すところという。 翻作 清溪は、北方の寂しい川、隴水ではないが、かえっていっそう寂しく断腸の思いがする。 薄游成久遊 軽い気持ちでやってきたのだが、それが長居になってしまった。 雨涙 雨のように落ちる涙。 孤舟 一艘の船。弧は一人ぼっちの意。 |
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字句解釈 |
一朝 ある朝突然。 颯 ①風の吹くさま、 ②はやて、③さびしい、④おとろえる。ここでは④。 猿聲 さびしい猿の聲。 |
詩の鑑賞 |
秋浦歌十七首は李白54,55歳の作である。この後、56歳に人生の大動乱んが起こる。 |
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字句解釈 |
汪倫 酒造りの人。 忽 思いもかけず。 踏歌 足を踏み鳴らして歌う別れの歌。 桃花潭 川の名。 |
詩の鑑賞 |
李白55歳の作。ちょっととぼけた面白い詩。 |
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字句解釈 |
廬山 九江の近くんの名山、高さ1474m。廬はいおり。 殷、周の時代に匡俗という仙人が草廬を作ってこもっていた。 香炉 香炉峯。後年、白居易が住んだ。 瀑布 たき。日本の瀧は ①雨の降りしきるさま ②早瀬 紫烟 紫のもや。神仙、または、皇帝のいるところ。ここは前者。 長川 長い川が掛かっているようだ。 |
詩の鑑賞 |
李白56歳の作との説があるが、詩の内容が若々しいので、26歳ごろの作か? 李白は56歳の、廬山に隠棲しようとした。 ところてん さかさまに ぎんが三千尺 蕪村 |
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字句解釈 |
幽人 仙人。 |
詩の鑑賞 |
李白56歳の作であろう。仙人になろうとしたゆったりとした様子が現れている。下記、陶淵明の詩を踏まえている。 一杯一杯復一杯は24不同にの規則に合わない。 (参考)陶淵明伝 潜若先酔、便語客、我酔欲眠、卿可去。 潜若し先に酔わば、 便ち客に語げて、 我酔うて眠らんと欲っす、 卿去るべし。 (宋書) 蓄素琴一張、無弦、毎有酒、適輒撫弄以寄其意。 素琴一張を蓄え、弦なし、 酒有るごとに、適すれば、 輒撫弄して以って其の 意を寄す、 (宋書) |